今日は緊張と震えについてお話ししていきたいと思います。

あがり症の方が一番悩まれるのは、もしかしたら緊張と震えかもしれません。そしてもう一つ、緊張と震えに伴う場面の前後ですよね。

緊張したり震える時っていうのは、やっぱり人前で話すといったような緊張場面なんですけれども、その前に予期不安という前もってあらかじめ不安になる、この時間の長さ、そしてこの不安の程度、これが苦しいんですね。

じゃあ本番が終わったらどうなるかっていうことなんですけれども、これは人それぞれちょっとパターンが違うんです。

本番終わって良かったという人もいればです、終わってからウジウジやっちゃう人がいるわけですね。

あれがダメだった、これがダメだった、あそこで声が震えちゃった、あの人に変な風に見られてた、顔が赤くなったのがバレちゃったんじゃないか、いろいろと終わった後にあれこれ考える、これ私が作った言葉で事後失望、終わった後に失望するという言葉なんですけども、これもまた時間と程度が長いわけです。

特に完璧主義的傾向が強ければ強いほど、あがり症の方って完璧主義が強いんですけれども、その程度が強ければ強いほど、ますます自分の欠けている部分に目がいって、そこをウジウジやってしまう。

このやり方がハンパないんですよね。

ビデオを巻き戻しするかのように、撮った同じ部分を、何度も何度も何度も何度も、テープが擦り切れるぐらいに巻き戻して、やっぱり震えちゃった、変な風に見られちゃった、たとえそれが例えば10分喋ったうちの5秒に過ぎないことでも、そこの所を徹底的にいじくりまくる。まるで傷口に塩を塗るかのようにやっちゃうわけですね。

これが辛い。

この前後が辛いわけなんですけれども、そもそも本番前に緊張しないこと、声が震える、手が震える、足が震える、そういったことって抑えることができるものなのでしょうか?

ここであがり症の方はある過ちを犯します。

特に震えですね。
震えの悩み多いんですよね。
結構辛いんですよ。

書痙って言うんですけれども、これを人に見られるかどうかっていうのは、ご本人にとってはもう一世一代の勝負みたいな所があっちゃったりして、この震えが見られるのが怖い。

結局、震えるのはそもそも身体的にどういうものかって言うと、一言で言うならば体が極度に緊張した時、解放するための目的として震えてるわけなんですよ。

もう一回言います。

身体が極度に緊張して力みすぎている時に、解放するために起こるものです。

書痙の方にお聞きしたい。

手が震えたり、足が震えたり、声が震えたりする人にお聞きしたいんですけれども、本番場面、人に見られている場面で何をしますか?

震えないようにって体に力入れてますよね?

手に力入れてる、震えないように震えないように震えないように力を入れれば入れるほど逆説的に震えは解放を求めて、自分の思いとは裏腹に体が答えを出す。震えで力を抜こうとする。

震えないように震えないように震えないようにと力を入れれば入れるほど震えは起こります。

これが書痙の仕組みです。

この仕組みを、どう逆手に取って対処すればいいのかということですけれども、震えに対して力で押さえ込むとハマるということであれば、二つの方向性が考えられると思うんですね。

一つは、震えを許すこと、諦めること。

震えはもうしょうがないんだ、震えてしまうかもしれない、そもそも震えやすい私なんだから恥ずかしいけど辛いけど震えで解放すればしばらく震えがなくなるからその間は震えなくなると。

震えるのはしょうがないと、許そうというあり方なのかもしれません。

そしてもう一つ、震えへの対処法。

震えを抑えようとすることで体に力が入りすぎて、力みすぎて震えは逆説的に起こる、震えさせる体の目的として起こる理由なので、その逆にちゃんと震える、もっと震える、もっと震えなさいと。

私、個人セッションでそれ言っちゃってますけれどね、もっと震えてください、それでは震え足りない。

人前でさすがにそれを求めるのはちょっと違うかもしれませんけれども、震えをしっかり震えきると、力みどうなります?力みなくなるんですよ。

笑いっていうのは、ちょっとそういうものかもしれませんね。

笑うことによって、体がワッハッハって笑うことで、体を揺らすことで力を解放しているのかもしれないよと。今思いつきで言ってますけれどもね。

だから震えっていうのも、しっかりワッハッハじゃないフルフルフルじゃないですけどね、きっちり震え切れば、震えは体をリラックスさせる。

だから、自然発生的な身体症状に対して意識で抑え込もうとすると体が反発しちゃうけど、あがり症の方、書痙の方、赤面症の方、どもりの方、あらゆるところに通じますが、そこに過ちを生じるんですね。

緊張も同じことですね。

緊張を抑え込もうとするとますます動悸がドキドキする。
不安や恐怖に対しても抑え込もうとすると、感情の反発を食らってしまう。

同じように、これに対しても震えないようにじゃないですけれども、不安にならないように怖がらないように、あがらないようにっていうんじゃなくて、怖がること、不安になること、あがることを許す。あがることを解放する。そのままにあがらせてあげる。

そのままに不安になりましょう。

ちょっと結構しんどいんですけども、ちゃんと不安になって、ちゃんと恐怖して、ちゃんとあがればね、和らいでいくんですよ。

これが不安、緊張、あがりを許すこと。

そしてもう一つ、あがりもあがりきる、緊張も緊張しきる、怖がるのもちゃんと怖がる。

怖いんだもん。
あがり症ですよ。
怖いでしょう。

あがるでしょう。
あがり症なんでしょう。
そりゃあがるでしょう。

それを抑えようとするから余計体は開放を求めてちゃんとあがろうとするわけです。

だから緊張・震えに対しては二つ。

一つは許すこと認めること解放させてあげること。
そしてもう一つ、ちゃんと緊張しきること、上がりきること、震え切ること。

この逆説的なアプローチにこそ、緊張、震えに対する本当の対処法、根本的な対処法があるんですね。

まぁ、これを勧めるってなかなか難しいわけですよ。

カウンセラーや精神科医、心療内科医の大概の方はね、対症療法的に緊張しない方法、震えない方法ということで、今言った抑え込む方向にいって、ますます書痙で悩む人います。

あがり症で悩む人に対して世の中にうじゃうじゃある情報って、はっきり言ってね、ホント何て言うのかな、あがり症の方をもっとあがり症たらしめてるかなっていう気がします。

許せばいいんですよね。
許せるかって、そうは許せないですよ。

けれども許せるようになればなるほど、必ず、必ず、あがり症って良くなっていくでしょう。

はい今日はこれで終わります。ありがとうございました。

※ポッドキャスト音声を文字起こししたものです。一度ダウンロードしておけば、緊張場面直前に聞くことで楽になるかもしれませんよ。以下より。

https://anchor.fm/takeharukokoro/episodes/ep-e3vmqt

(参考動画)