防衛単純化の罠

これさえなければと考えてませんか?

いろいろなことがうまくいかない。
人の目を気にしすぎるあまり仕事で失敗ばかり。

学校ではいつも人の目を気にしてびくびく。
笑顔もぎこちない。
そこに本当の自分はいない。

友達とは、緊張してしまってうまく会話できない。
いつの間にかいつも一人。
本当はもっと楽しくワイワイやれたらいいのに。

彼氏彼女なんてとても今の自分には・・・

孤独。

誰も分かってくれない。
けれど誰にも知られてはならない。

どうしてこんなにうまくいかないんだろう?
どうしてだろう?
どうして私だけが?

・・・
これさえなければ。
そう、このあがり症さえなければ。

うまくいかないことの全ての原因はあがり症なのだ。
これが解決すれば全てが解決する。

ならば、ここに全ての力を注ごう。

これを防衛単純化と言います。
効率良くターゲットを絞り、解決を目指す思考です。

なるほど、戦略的には納得できます。
しかしこの戦は必ず負けます。

人の心は物とは違います。
火に水を注ぐかのように、錐で一点集中することで穴を開けるかのように、そんなことはできないのです。

むしろ不安や感情に集中することでよりそれが賦活化されてしまうのです。

防衛は不要です。
一点集中もいりません。

考えることは全て逆効果です。
あがり症の人に考える暇を与えてはいけません。

スーッと感覚で反応すれば良いのです。
ただ目の前に置かれたことに集中することでいいのです。

それができた時、不安という感情が流れていることに気付くに違いありません。

 

陰謀だ~

先日、職場主催で外部講師を呼んで市民セミナーを開催しました。

お金の勉強会と題して、主に知的障害者とその親御さん向けのものでした。

講師側との折衝役を同僚がやっていて私はのほほんとしていたのですが、セミナー前日になってその同僚から、佐藤さん明日代表して挨拶して下さいときました。

まじかよ!

以前の私なら、そこから本番まで地獄の思いが始まるものでしたが、その時は瞬間ドキッとしましたが、次第に頭から離れていきました。

当日、大体60人ぐらいの参加者です。

やがて始まり、司会役から、それでは〇〇より代表して佐藤の方からご挨拶させていただきます、と呼ばれました。

思ったより緊張しません。

何となく適当なこと喋って終わりました。ホッとしました。

やがて、同僚から言われました。
後でロールプレイでみんなの前で寸劇やって下さいと。
そして台本を渡されました。

もうなんでいつも直前なのー(涙)
そりゃー、男で悪物役は俺しかいないかもしんないけどー。

はっきし言ってこういうの大の苦手です。
しかもよりによって聴衆の前で。

やがて始まるとなんと一番セリフが多いという。
こりゃ、嫌がらせか?

まぁ、それでもぎこちなく喋ってなんとか終わりました。ホッとしました。

そして午前の部を終え、午後の部が始まります。
内容が大分変わるため参加者の構成も相等変わります。

そして、始まる2、3分前、同僚に言われました。

「午後は参加者変わるのでまた挨拶して下さい」(涙)

もうこうなるとマヒです。
緊張も何も感じませんでした。
何だか永遠に喋れそうな気分でした。

私はこの日、次の三点を体感しました。

あがり症にはマヒさせよ。
あがり症には無茶ぶりがいい。
同僚は私を陥れようとしている。

この三つ、決して信じないで下さい。