今日からちょこちょこQ&A方式で様々な質問にお答えしていきます。
まずは初回。
あがらない方法 緊張しない方法 あがり症の治療方法 教えて下さい
Q.「あがらない方法 緊張しない方法 あがり症の治療方法教えて下さい。」
A.結論から言うならば、魔法の薬はありません。
私もかつては結構なあがり症でした。
私は自分のあがり症がいつかふっと治る時が来るのだろうと思っていました。
まるで魔法か何かにかかったかのように。
しかし、やがて気付きました。
そんな薬などないということに。
しかも気付くまでには随分な時間がかかりました。
そもそも、「あがらない」方法、「緊張しない」方法、「治療」方法という言葉自体に既に誤りが含まれています。
その望みは本当に叶うのでしょうか?
人として生きる以上、あがることは避けられません。
あがらないようになんてことは不可能なことなのです。
にもかかわらず、それを完全になくそうと意識するから余計緊張してしまうのです。
余計緊張したら更に意識が向くから益々緊張する。
目標設定が誤っているのです。
「あがらないように」、「あがってはならない」という不可能な望みの正反対にこそ答えがあります。
それは、「あがってもいい」という言葉にこそあります。
あがることを許すことで結果そこにあまりこだわらなくなって、意識から離れやすくなり二次的にあがることが収まっていくのです。
あがり症の薬効果なし あがり症漢方効果ないですよね?
Q.あがり症の薬効果なし あがり症漢方効果ないですよね?
A.私は医療従事者ではないので、あくまでこれまで見聞きしてきた個人的所感ということで言わせてもらうのであれば、一定程度効果はあると思います。
一時凌ぎ、あるいは比較的ましな現状維持といった意味で。
しかし、基本的に薬は対症療法です。
対象療法である以上、根本的な治癒にはつながらないと思います。
精神科医の方の中には、薬で一定程度症状が治まっている時に成功体験を積めばそれが自信となって克服できるという見解の方もいます。実際、私の知っている方には服薬のみで治った方もいます。
しかし、ここにはそれ以外の面が見落とされています。
元々、その方はより良く生きたいという思いが非常に強く、一番症状が重かった時からいずれは人前で講師をやりたいと考えていて、そのことを想定し備えていました。
つまり自分の未来イメージができていたこと、そしてより良く生きたいという思いが強かったこと、更には比較的軽度だったということがあるのではないかと思うのです。
私の元に来られる方の多くは薬は少しは効くけど・・・という方が多いです。
更に最も見落としがちな視点があります。
それは、仮に症状が治ったとしても性格特性は変わってはいないという点です。
あがり症になる方は、元々特有の性格特性を持っています。
それは、こだわりが強いこと、負けず嫌いであること、完璧主義傾向があること、かくあるべきという「べき思考」が強いこと、自分の心身の状態に非常に敏感であること、自分に厳しい事、感情を抑えがちであること、内向的であること、些細なことにクヨクヨすること、等々。
こういった性格特性を持っている以上、何か大きなきっかけがあったから偶然あがり症になったわけではなく、いずれどこかで必ずなっていたであろうこと、また仮にあがり症でなくても強迫性障害やパニック障害等、他の似たような何かを抱えていた可能性が非常に高いのです。
つまり、対症療法の薬で治ったとしても再発したり、あるいは違う障害や生きにくさを抱えてしまうのです。
一番多いのは対人関係での生きにくさでしょうね。
あがり症が仮に軽減したとしても性格傾向による対人関係の困難は必ず起こります。
この点を薬で治ると言っているお医者さんは見落としているように思えるのです。
必要なことは生き方の見直しです。
そこを踏まえず、瞬間的に恐怖場面を逃れられる服薬で凌いだとしても、そのやり方では真の解決には繋がらないのです。
薬とは冷静な視点で、依存性、耐性等のデメリットも考慮に入れて、一時的なお付き合いにとどめておいた方が良いと私は思うのです。