今日はあがり症の本当の話をします。
本音で行きます。
最近、私の本を読んだりYouTube動画を見られた方からの感想なり、声なり、メッセージがちょこちょこと届いています。
嬉しい限りです。
なにせ、私の言っていることと同じことを言っている人はほぼいないので、言っていることが真新しいというか、ビックリというか、そんな言葉が多いです。
講座に来られる方々も、衝撃なり、感動なり、納得なりされる方が多いです。
私もかつては重度のあがり症だったので、皆さんが何に疑問抱いて、何に困ってなどのポイントポイントがある意味、手に取るように分かるからなのかもしれません。
これまでいろんなあがり症本なり、動画なり、ネットで様々に検索した人が行きつく最後の地なのかもしれません。そんな有名でないですしね。
そもそも論として、ぶっちゃけて言いますが、あがり症の克服法の本なり講座なりで良くなった人はどれだけいるんでしょうか?
あえて、本音で言います。
まず少ないでしょう。
特に本はひどいです。
こんなの読んだって、一番悩んでいた頃の俺を治せっこないだろとガッカリというかあきれるしてしまうものが多いです。
そこには私が思うに、ある勘違いがあります。
あがり症の本を書く人のほとんどがかつてはあがり症だったりして、そこからの克服者であることが多いです。
ただ、自分が治ったやり方が唯一と思ってしまうとハマってしまうのです。
なぜなら、克服者には様々なパターンがあって、一つのやり方だけで通用すると思ったらうまくいかないことがかなりあります。
よくあるのが、軽度の人にはうまくいったけど、ある程度以上のあがり症の方には効かないことです。
これは、様々なあがり症講座に出られた方なら納得されるのではないでしょうか?私の講座に初めて来られる方はこのパターンが非常に多いです。
だからと言って私の所に来られた方がみんなうまくいっているというわけでもありません。私の講座に出られた方の中でも、一回だけ来られて続かないということがしばしばあります。
理由は様々にあると思いますが、一定程度の割合で私の力不足で継続されなかった方はまちがいなくいらっしゃるでしょう。
特に、私がカウンセラーを始めたころのカウンセリングでは、なかなかうまくいかないことがしばしばありました。申し訳ない限りです。
じゃあ実際に悩んでいる方に効果的なものを提供できている方はどこにいるんでしょうか?
今日は本音です。
私の知っている限りでは、ちょっと耳にする話では、鴨頭嘉人さんという方は非常に良いお話をされているようですね。ただ、一人の方からしか聞いてないので確信をもっては言えませんが。
他には、赤坂にある精神科クリニックでは集団認知行動療法が行われています。
ここの集団認知行動療法が日本の精神科クリニックでは、いわゆる社交不安障害に対して一番有名かと思います。
私の考え方とは違うやり方でやられていますが、私も何度か研修に参加して、使えるところは参考にさせてもらっています。
他には、森田療法をやっている精神科医の一部の方々。
森田療法をやっているから良いというのではなく、更に森田療法だけでは私は限界があると思っていますが、その中でも私の中では北西憲治先生の話が一番響きます。他にも何人かこの先生はという人がいました。
ただ、北西先生の所は保険が効かないんで高いんですよね。
言おうと思っていた話がずれてきました。
要は言いたいことは、世にあるあがり症本なり克服法のほとんどがテクニックの話であるということです。
テクニックとはつまり、対症療法なんですね。
テクニック論や対症療法はメリットデメリットがあります。
メリットの一つには、それでうまくいった時、自信になること。
そして少しずつ付いていった自信で更に成功体験を増やす。
いわば好循環ですね。
そしてメリットの二つ目。
即効性があります。
薬などは典型ですね。
あがり症の薬には大きく言うと三つのタイプがあります。
専門的話になりますが、SSRIという向精神薬と、俗に精神安定剤と言われるような抗不安薬。そして高血圧などにも処方されるβブロッカーと呼ばれるタイプのもの。
このうち、SSRIを除いた抗不安薬とβブロッカーは、効き目の程度はそれぞれ違いがあるにせよ、より即効性が強いです。
そりゃあ、ピンチの時は速攻で効いた方がいいですよね。
ところがテクニックや対症療法にはデメリットもあります。
一つには、緊急事態に対応できません。
テクニックだ何だといったって、例えばもっとも緊張するような結婚式のスピーチなどの時はぶっ飛びます。
薬が効かなかったなんて話はしょっちゅうです。
腹式呼吸だの活舌だのなんだのって言ったって、あまりの緊張と不安と恐怖には無力です。
薬などの対症療法でもいいから欲しいという、それが必要な方にはいいでしょう。
ただ、対症療法かどうかも分からず、克服法にすがってしまうとうまくいかないことが多いんだろうなと思います。
また、薬にずっと頼りっきりになってしまいかねませんからね。
そして、デメリットの二つ目は、再発します。
だって、その場しのぎなんですから、たまたまうまくいったとしても、例えば自分の精神的エネルギーが落ちている時なんかに人前で話す場面があったりすると、もう良くなったと思っていたのがまたあがって真っ白になってしまいましたなどと言って再発します。
そして、デメリットの三つ目。
あがり症が良くなったとしても、本質的な性格傾向、たとえば物事を気にしし過ぎるであるとか、他者に否定されてしまうのではないか、あるいは失敗したくないなどといった完璧主義傾向が緩まないと、次の悩みを必ずや見つけてしまうということです。
人によっては体調を気にしてドクターショッピングしまくったり、体重計に乗って痩せられた快感に酔って摂食障害になってしまったり、職場の誰々さんが私のことを嫌っていると信じて、メンタル的にやられてしまう。
だから、あがり症に悩む方々に知ってほしいのは本物かどうかの見極めです。
その見極め方は一点、「あがらないため」という目的のものはまがい物です。
もう少し柔らかく言いましょうか。
「あがらないため」という目的のものは、対症療法です。
じゃあ、信じられるかどうかのポイントとは?ですが、結局は人としてのあり方、他者へのあり方、つまり人間とは?という本質的なことをテーマにしている人でしょう。
あがり症は、症状をあぁだこうだと治そうとしても治せません。
せいぜい、私がやっていることとしては、あがってください、もっとあがってください、あがりきってください、まだまだあがり足りません、もっともっとあがって、いやダメです。もっともっともっと。
そうなんです。
あがっていいんです
これを言っている方をお勧めします。
あがらないように
に答えはありません。
これが、あがり症の真実です。
今日は、あがり症の真実についての話でした。