(近日予定講座!)
「あがり症克服日めくりカレンダー」出版記念セミナー【新宿7/15】
健康中毒とも言うべき人がいます。
自分の健康状態を気にして気にして完璧を求めるのです。
健康でなければならないという信念をもとに、自身の健康状態にやれここが悪い、あそこが悪いだのと日々チェックを入れるのです。
人によっては、おなかが痛いと胃がんでは?、ちょっと体の調子が悪いと自立神経失調症か何かでは?、ちょっと頭が痛いと脳梗塞?などといったように不安に襲われます。
これはあがり症の仕組みと同じです。
森田療法という心理療法の対象となる森田神経質症とも言うべきもので、症状のことを気にすればするほど却って気になってしまう、これさえなければ万全の体調なのにと思えば思うほど、ほんの些細なことに注目して本当に病気にしてしまうのです。
その姿はさながら、源氏の影に怯え、飛び立つ鳥の鳴き声を聞いて敵と勘違いして逃げ出す平氏のようです。
取るに足らないようなことを過剰に取ってしまうのです。
一病息災と言います。
人として体のどこかに調子が悪い所は何かしらあるものなんですね。
それがむしろ健全なぐらいだという意味ですね。
なのに、そのたった一病にこだわり続ける人。
ドクターショッピングをして自分の体調不良の理由を探し求める。
いったい何のために?
けれど、一病にそこまでこだわらない人は、逆に日々の生活の中で今目の前に置かれたことをこなしていくうちに、その一病によるちょっとした不調のことなど忘れてしまうのかもしれません。
あがることも同じです。
人である以上あがることは当然のことなのです。
当然にありうべきものなのです。
それをこれさえなければなどと意識を集中することで、かえってあがってしまう。
だったらいっそ最初からあがってしまいましょうか?
試しに、あがる場面であがらないようしするのではなく、あがるように振る舞ってみてください。
どの道あがるんだからまぁ同じことですよね。
そしてもっとあがってみるのです。
遠慮せずあがってみるのです。
そしてそこであがっているレベル(0~10)を観察してみてください。
全くあがってないのを0、MAXあがっているのを10としてです。
その数字と変化の違いに注目してみてください。
何か面白いことが起きるかもしれませんね。
そもそもです。
もしかしたら、あがり症に悩む方々は何か勘違いしているのかもしれません。
あがり症が治ればあがらなくなる。
緊張症が治れば緊張しなくなる。
対人恐怖症が治れば対人恐怖がなくなる。
そんなこと夢見てませんか?
そもそも人としてそんなことは可能なのでしょうか?
ましてやあがり症になるだけの素質を持つ方に?
あがり症の克服とはあがらなくなることでも、緊張しなくなることでも、対人恐怖がなくなることでもありません。
人によってはそれがなくなる人もいますがそうではありません。
あがり症の克服像とは、あがった自分を責めたり、情けなく思ったり、失望しなくなることです。
あがり症の方はあがった自分を過剰なまでに否定し、そこに不毛なエネルギーを注ぎ続けるから余計苦しむのです。
煩悶です。
あがったらそれだけ。
緊張したらそれだけ。
対人に恐怖したら恐怖しただけ。
それでいいのです。
そして本来の自分が望む方向性に、あがりながら、緊張しながら、対人に恐怖しながら前に進む。
あがってもいいのです。
緊張してもいいのです。
対人が怖くてもいいのです。
あなたの本当の望みにフタを閉めておくことこそが良くないのです。
あなたの本当の望みに耳を傾けましょう。
内なる声に耳を澄ましましょう。
大事なことは、あれやこれや悩むことはあっても、負の感情の背後にある自分の本当の欲望、願望、希望に対して、耳を傾けておくこと。あるいは大事なことに沿って生きること。
一つは、自分は何をしたいのか?
何をしている時にイキイキするのか?
何をしている時に役に立っていると思えるのか?
何をしている時に夢中になるのか?
チクセントミハイという心理学者は言いました。
フロー体験と。いわば没頭ですね。
そして次に、他者と繋がること。
悩みが大きいほど孤立します。
孤独ではなく孤立。
人生で最も危険な状態です。
そしてもう一つは、自分が安心・安全な場を確保すること。
居場所かもしれない、一人でいる時なのかもしれない、リラックス出来る場があること。
アルフレッド・アドラーという精神科医は言いました。
共同体感覚と。
他者との繋がりという人生の安全網をしっかりと確保して、自己実現していけば、何かあったとしてもそう簡単には倒れないのです。
悩んでる方、人との繫がりを大切にしてください。
何をしたらいいのか分からない方、自分の過去を探ってみてください。
これからの未来に答えがあるのではなく、あなたの成功条件は過去に隠されているのです。
あなたはあがり症が治ったら何をしますか?
何をしたいのですか?
あなたの人生に何を望むのですか?
もし、人生に物語があるとすれば、あなたの物語は今後のあなたに何を望んでいるのですか?
さあ、勇気をもってそちらに舵を切ろうではありませんか。
(参考記事)
人生100年時代のあがり症の生きる意味