どこから来たのかではなくどこへ向かってるのか

問題があると人は様々な原因を考えます。

家庭環境が悪かった。
性格が弱い。
内気だ。
才能がない。
お金がない。
AC(アダルトチルドレン)だから。
学歴がない。
誰も誉めてくれなかった。
育て方が悪かった。
交遊仲間が良くない。
etc・・・
なるほど、じゃあどうすれば?

なかなか思いつかないでしょう。

原因が分かったところで、そこからどうすれば良いかは見つかりにくいのです。

物理化学等の世界では原因追及は大事でしょうが、人間心理の分野においては原因探しや犯人探しは解説にはなっても解決にはならないのです。

あがり症になった原因や理由も探そうと思えば、その人なりの答えが簡単に見つかります。

ある人は原因や理由をいろいろ話します。
親が厳しかった、自分は性格が内気なんで、等々。

なるほど原因は分かりました。

しかし、それでどうするんですか?

大切なことはどこから来たのかではなくどこへ向かってるのかです。

一体それであなたはどうなりたいんですか?
どうしたいんですか?
あなたはどこへ向かってるんですか?

原因探しの旅はもうやめにしませんか?
未来の自己実現に向けて、あなたはどこに向かって何をすればいいのですか?

 

あがり症の現状

精神疾患の国際的診断基準の一つにDSM-5があります。

そのDSM-5には、社交不安症(あがり症)の診断基準として以下のものがあります。

◎他者の注視を浴びる可能性のある社交場面に対する、著しい恐怖または不安を感じる

◎自身の振る舞いや、不安症状を見せることが、否定的な評価を受けることになると恐れている(恥をかいたり恥ずかしい思いをするだろう、拒絶されたり、他者の迷惑になるだろう)

◎その社交的不安状況は回避され、または、強い恐怖または不安を感じながら耐え忍ばれる

◎その恐怖または不安は、その社交的状況がもたらす現実の危険や、その社会文化的背景に釣り合わない

◆パフォーマンス限局型:その恐怖が公衆の面前で話したり動作をしたりすることに限定されている場合

こういったことを元に社交不安症(あがり症)と診断されるわけですね。

いかがでしたか?
自分がどの程度該当したか?

そして社交不安症のほとんどの人は、長期間に渡って特に治療を受けていません。

かといって自然に治るわけでもなく、自然治癒率は12年間で37%という報告もあります。
病気の状態で63%の人がほっぽったまんま苦しみ続けているのです。

普通、病気というものは治療しない場合、体の自浄作用によりやがて治っていくものですが、あがり症の場合は環境により潜伏期間があったり、症状が比較的緩和していることもあるのでやっかいなんですね。

何よりも慢性化は、自己肯定感をなくし自信がなくなり、二次障害としてアルコール依存症やうつ病、パニック障害、薬物乱用といったことにも繋がるため避けたいものです。

そのためにもあがり症は治せるものという認識を広めることと、治療側の存在を知らせ、もっと普及してく必要があるでしょう。

まだまだ日本においては、あがり症の方々のために出来ることがありすぎるようです。
私もその一端を担っていければと思います。