マインドフルネス

あがり症の方は、本番場面を前に不安になります。
何も直前に限りません。
それこそ何日も前から、何週間も前から。
まるで真綿で首を絞められているような息苦しさが続きます。そして本番が終わり、はいお疲れ様とはなりません。
そこから始まります。
予後失望が。
本番場面を何度も何度も頭の中で思い返し、失敗場面をあら探しし失望します。あがり症の方は、未来への不安と過去への後悔で頭がいっぱいなのです。
そこでは今が希薄になっています。
大切なことは、今を膨らませていくことなのです。

今を膨らませるとは、いかなる今であってもその今に集中すること。
いかなる今であってもその今を感じ尽くすこと。
いかなる今であってもその今を認めること。

それ以上でもそれ以下でもない等身大の今を。

今ここ
今ここ
今ここ

これをマインドフルネスと言います。

 

100戦必敗のあがり症からの脱出

あがり症の方は、緊張や不安を感じるとそれに抗い、なんとかしようとします。

ちなみに、それでなんとかなったことってありましたか?

緊張や不安と闘って勝つことは至難の技です。
相手の攻撃を全て自分の力に変えてしまう化け物が、あがり症なのです。
闘えば闘うほど、症状は逆に活性化されます。

症状は、そこにあるなぁぐらいの感覚でいいのです。

否定も肯定もせずあるがままに認め受け入れる。
その上で今できる目の前のことに集中すること。

たとえ、震えても。
たとえ、真っ赤になっても。
たとえ、鼓動が高鳴っても。

症状とは闘わず、目の前のことをやる。

それが症状と闘わずして勝つコツなのです。

 

え?こんなことで?

感謝する。
できたことに目を向ける。
人に貢献する。

助かりますと言う。
自分から挨拶する。
誰かの役に立つ。
運動する。

困っている人に手助けする。
好きなことに没頭する。

ありがとうを言う。
他者のために祈る。あがり症の症状に取り組むことよりもこういったことで気持ちが充実したり、自己肯定感が上がったりしていくことで、副次的にあがり症の症状が軽減していくということがあります。

あがり症には対症療法ではないアプローチの方が、あたかも漢方薬のように有効なのかもしれません。