自立支援医療制度(精神通院医療)について

今日は制度についてのご紹介。
自立支援医療制度というものがあります。

これは心身に障害をお持ちの方を対象とした医療費助成制度です。
その中で精神科医療を受けている方を対象にしたものだけご紹介します。

ざっくり言います。
精神科に継続して通院している人は1割負担になるという制度です。

これは診察代に限らず、デイケアの料金とか、薬代も対象となります。
障害者手帳の有無は関係ありません。
収入等の条件はありますが、定期的に通院している人のほとんどの人が適用になるのではないかと思います。
逆に収入によって月額2500円上限とか、無料になる方もいます。
詳細は以下です。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/dl/03.pdf#search=’www.mhlw.go.jp%2Fbunya%2Fshougaihoken%2Fjiritsu%2Fdl%2F03.pdf’

 

なんでこの制度をご紹介するかというと、私の所に来られた方々でこの制度を知らないまま一般的な医療費の3割負担の金額を払っている人が時々いるのです。

制度を知らないが故に3倍の金額を払っているんです。
ましてや精神疾患に掛かって通院されている方々は、就労の継続がままならなくなったり、職に就けなかったり等で生活が厳しい傾向があります。

私は仕事柄、その方のメンタル面だけでなく収入等の生活費も必ず見ます。そもそも誰しもが生活費が切迫していればそれだけでも精神的に大きな負担となります。ましてやメンタル面にハンディキャップのある方は言わずもがなでしょう。

私の所に来られた方が自立支援医療の手続きをしていないと言った場合、私はすぐにこの制度のことを話して手続きするよう薦めます。

それほどたくさん経験しているわけではないですが、私が担当した方でこの制度で申請が通らなかったという人はいません。

もちろん、そもそも論で継続して通院していなかったり等、条件を満たしていないとダメですが。

手続きは障害年金に比べたら全然簡単です。
主治医にお願いして医師の診断書(数千円かかる)を書いてもらってから、それを持って市役所(区役所)に行ってちょちょいと書類書いたり所得証明の手続きすれば、その日から使えます。

私はしばしば手続きの時に同行しますが1時間もかからず終わります。

私はどうしても腑に落ちないんです。
なんでこれまで誰も教えてくれなかったのか?

そもそも精神疾患にかかった方は、情報収集能力、判断力や認識力が落ちる傾向があるでしょう。
また、手続きすること自体ハードルが高い方もいるかもしれません。
誰かが教えてくれたり、フォローしてくれたりしないとこの制度を利用できない方が数多くいるのです。

精神疾患を抱えている方々の中で、生活費ギリギリでやっている方は一般の方に比べて間違いなく多いです。その中で制度を知らずに3割負担で支払っている方がいらっしゃるのです。

本当は、収入が少ない方の場合は0割、要は負担ゼロになるのかもしれないのにです。

病院の会計窓口にいる人は100%この制度のことを知っているでしょう。医師に「自立支援医療制度の申請するんで診断書書いてください」と言えば書いてくれます。

なんで教えてくれないの?

病院にも薬局にも、その人が何割負担だろうが、10割分の金額が入ります。そりゃあ、教えようが教えまいが同じ収入なんでしょう。

国は制度作ってなんで周知しないんでしょう?

 

どうしても腑に落ちないんです。
病院の会計にいる人はどういう気持ちで3割分の料金を受け取っているのか。

「自立」という趣旨だから何かあるのか?
病院側は何らかの制約があるのか?

もしこのブログを読んでいる方で、病院の会計事務職の方、あるいは精神科医の方等関係者の方いらっしゃいましたら、何らかの事情があるのか教えて頂けないでしょうか?

医療費の助成を最も必要としている方々が制度難民となっているのです。