「まなゆい」

自分は自分でいいという感覚、それを自己肯定感と言います。

毎年行われている、諸外国と日本の高校生の自己肯定感の比較の調査がありますが、アメリカ、中国、韓国のそれと比べて日本の高校生の自己肯定感は圧倒的に低いのが特徴です。

その要因として、一つには謙虚さが日本人の特徴ですから、そういった面はあるかもしれませんが、それにしてもあまりに低いのには衝撃を受けざるを得ません。

それで、今日は、とある様々なジャンルのカウンセラーの方々のカフェ会のような集まりにお邪魔させていただきましたが、そこでの話題は自己肯定感が非常に多かったです。

そこで聞いたお話をご紹介します。

ある方が、自分が自己肯定感がまさに低かった頃に、ある言葉を唱えていたと言うのです。
「まなゆい」と呼ばれる言葉。
それをお題目や呪文のように唱える。

具体的には以下の言葉。
「受け入れ認め愛し許します」

この言葉を自分がマイナス思考になった時にすかさず唱える。
例えば、心の中で「私ダメだ・・・」などと思った時。
「私ダメだ・・・受け入れ認め愛し許します」

他にも、
「またやっちゃった・・・受け入れ認め愛し許します」
「嫌われてるのでは・・・受け入れ認め愛し許します」
「失敗しちゃった・・・受け入れ認め愛し許します」
等々。

まるでマントラか何かのように、マイナス思考が出てきたら唱える。
その方は、それで自分の困難の時期を乗り越えたとのことです。

これ、分かるような気がします。
言葉の力は凄いものを持っています。

言葉は実現させる力があります。
言葉はその人を作ります。
言葉は人生です。

関心を持たれた方是非やってみてはいかがですか?

「受け入れ認め愛し許します」

 

否定形の目標の罠

私の知り合いで某大手携帯電話会社で以前働いていた方がいます。
Aさんとします。AさんはNLPという心理学を学ぶためにアメリカに渡った方で、言葉の持つ力を強く意識されていました。

Aさんがある時、自社のキャンペーンでサッカーの日本代表のキャッチコピーを「負けられない戦い」にしようとしているのを知ったそうです。

Aさんはその言葉にすぐさま反応しました。
そこの責任者がたまたまかつての自分の部下だったとのことで、すぐ進言しました。
「やめた方が良い」と。

その責任者の方はAさんの進言を聞き入れ、「負けられない戦い」から「必ず勝つ~」といったふうに変更したそうです。

なぜAさんはそんなことを言ったのか?

それは「負けられない~」という言葉のなかに「負け」という言葉があるからです。
つまり人間の能は否定形や肯定形を選別する力はないと。
そこに「負け」という言葉がある以上、例え「負けられない」という表現だったとしても「負け」と脳が考えてしまうからとのことです。

なるほどですね。
さて、ここで問題です。

これをあがり症(社会不安障害、対人恐怖症)に当てはめるとどうなるか?

あがり症の方は切に願います。
「あがらないように」
「あがってはならない」と。

もうお気付きでしょう。
あがり症の方の望みは悲しいかな、逆に悪化させるための要因となってしまうのです。

なので自分の願望の表現を変える必要があります。
それは、あがることは取りあえず置いといて、例えあがっても、
「伝える」
「伝えることに集中する」

目標設定を変えることが、あがり症の方には必要なのではないでしょうか?