私の克服の場合
私は、今年に入ってから、生まれて初めてセミナーの講師役を務めました。
以後、はや10回以上、講師役や講演を様々な所でやっています。
来年の独立起業に向けて、今後も当然のようにやっていくこととなります。
今日もとあるところで講師役を務めてきましたが、今の私の状態はもう平気!っていうわけでは全然ありません。
私の性格傾向としてのあがり症的な所が治ったわけではなく、あがることへの受け止め方が変わっただけなので普通に緊張します。
私は一番最初の自己紹介等が一番苦手で、テンパリます。
講師役がそんなんでいいのかと言われても、テンパルものはテンパルんだからどうしょうもありません。
今日もそうでした。
ガチガチな表情だったのは参加者にも伝わったかもしれません。
しかし、私の場合、先ほどあがることの受け止め方が変わったと言いましたが、それにより、時間が経つにつれあがることを忘れるようになります。
セミナーが始まって30分、1時間と時間が経つにつれ、いかに内容を伝えられるか、参加者は意欲的に参加しているかといった中身に集中しているので、あがることを忘れてしまうのです。
やがて講師役としての経験を増やすにつれ、いずれあがることは益々減ってやがてはほとんどなくなっていくと思います。
私にとってのあがり症の克服はこういった段階になりました。
しかし、私の場合重度のあがり症だったこともあってなのか、一足飛びに急に良くなったということは何一つありませんでした。
あがり症の克服段階を0~10として10を完全克服とすると、全ての過程が0.1進んで0.1後退しての繰り返しでした。
3歩進んで2歩戻る、まさにそんな感じで、あまりの道のりの遠さにさながら蜃気楼を目指しているかのような気の遠くなる思いをしてきました。
悪化していく過程が13年、治っていく過程が13年でした。
これはもちろん個人差があります。
数か月で良くなる人もいれば、あっさり治ってしまう人もいる。
私の場合、重度でかつ孤独な戦いだったのでこれだけ時間がかかったのかと思います。
いずれにせよ、この13年はただ恐怖突入を繰り返してきただけです。
半端ではない恐怖に押しつぶされそうなというか、押しつぶされながら恐怖場面に突入しました。
1年ぐらい前も、自分が講師役をやっている姿なんてとても想像できませんでした。
しかし、これもまた恐怖場面に突入することとなりました。
私は自分のことながら、なぜこれほどの恐怖を感じながら突入できるのか、ある種不思議でなりません。
思うに、私は自分がどうなりたいのか、どうありたいのか、どう生きたいのか、そういった人生の価値観を強く持っていたからなのかもしれない。
そんな気がしてならないのです。
人それぞれ、人生の価値観は異なります。
まずは、それを本気で考えてみる。
1日2日で出るような答えではないかと思いますが、そういったことがいかに重要か、私はそれを強く感じるのです。
好きを語る
私が支援している人にジストニアという症状を抱えている女性がいます。
ジストニアとは、神経系の何らかの異常により、首が横に向いたり、身体がねじれたりしてしまうものです。
その方のジストニアは緊張すると症状が悪化してますますねじれが増してしまいます。
また、日常生活の中で通常の姿勢になろうと意識して無理矢理体を抑えつけようとすると、大変疲れます。
そりゃそうですよね。
私達だって、変な姿勢を無理矢理維持していたら疲れてしまいますよね。
そうやって日々を送っていると気持ちもつらくなるでしょう。
ダメな自分を感じてしまうこともあるかもしれません。
彼女の場合も、メンタル的に疾患を抱えてしまったことがあったようでした。
ところで、この方は非常に饒舌です。
話も上手いです。
そしておそらく喋るのが好きなのでしょう、話を夢中になってしている時は症状が良くなるのです。
体が真っ直ぐを向きます。
そうして、この病気により長年あきらめてきた芸術関係のことを語る時は立て板に水状態です。
イキイキと目をキラキラ輝かせ、もう止まらなくなります。
そして、この時、一切症状は出ません。
症状をコントロールしようと努力すればするほど症状が悪化していたのが、逆に本人の意識が症状から離れることで症状が改善するのです。
血行が良くなっているに違いありません。
体の細胞が湧きたっているに違いありません。
私の仕事は、彼女のイキイキ、キラキラを引き出すこと、維持させること、そのために関心を持って聞くことです。
これは何もジストニアに限りません。
あがり症ももちろんそうです。
その人が何に関心を持って、何が好きで、何に夢中になっているか、そこに症状が改善するヒントが隠されていることがあるのです。
そしてそこに、その人が輝くことができるヒントがあるのです。
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