スティグマ(負の烙印)

私はほぼ毎日、精神疾患をお持ちの方と接しています。
障害者の就労支援とはいえ、実際に相談に来られる方の多くが精神障害者の方々です。

3障害、いわゆる知的障害、精神障害、身体障害の方々の就労支援をしているわけですが、例えば身体障害者の場合、最初の数回相談に来られ、あとは自分で判断し行動できる方が多いです。

また、知的障害の方は、頻繁に私の所に来て相談するよりも、今在籍している施設の支援を受けることが多いです。

なので、実際に私の職場の事務所に、例えば週1回程度で相談に来られる方のほとんどが精神障害者の方なのです。
就労面の相談だけでなく、必然的に生活面やメンタル面の相談もします。
さながらカウンセラーです。

毎日、精神障害者手帳を持っている方と会っていると、麻痺してきます。
障害という言葉そのものの印象、障害者として受容することの苦しみ、負のレッテル、恥ずかしさ、等々。

そうして時に思いだすのです。
その言葉を背中に背負うことの重さを。

ある人は言います。
障害者手帳は要らない。

またある人は言います。
障害を認めたくない。

精神障害者であると認めることは、覚悟や失望を伴なうものだというごく当然のことを、支援者である私自身が忘れてしまいがちになるのです。

私は人生で何回か精神科や心療内科に行きました。
最初は、高校2年生の頃です。
いきなりあがり症になってしまって、急性期の苦しみに耐えられずに音を上げてしまったのです。

今でも覚えています。
優等生で自信満々に生きてきた自分が、学校の裏山にある精神病院に人目を忍んでコソコソ行ったことを。
その様子は、さながらコソ泥と一緒だったに違いありません。

この事実は、当の自分自身が断固として受け入れられませんでしたし、更には他者に対して絶対に知られてはならない秘密でした。
知られたら俺の人生は終わりだと思っていました。

また、20代後半に何ヵ所かの心療内科に行きました。
当時も同様です。
絶対に人に知られてはならない秘密です。
病院への行き帰りの道は、私にとって敗北者の道でした。
光などありませんでした。
いつまで続くのかという先行きの見えなさは、絶望感を伴ないました。

自分が精神障害等、何らかのマイナスの要素を持つことを、スティグマ(負の烙印)と言います。
私は、自分自身にスティグマが押されることを命がけで拒否しようとしたのです。

今、時代は変わり、まだまだ課題はあるものの、精神科、心療内科、カウンセリングルーム等は、どんどん地域に開かれてきています。

人里離れたような所にあった精神科は、街の綺麗なビルにその場所を移し替えてきています。
入院漬けだった精神病患者は、今後徐々に地域へと移っていくことでしょう。

平成30年には精神障害者の雇用義務化が施行されます。
これから、身体障害者、知的障害者に遅れて、ようやく精神障害者の時代がやってきます。

当事者の負のレッテル感を下げ、一方社会の偏見をなくし敷居を低くしていく。
まさにノーマライゼーションの概念の浸透化が、精神障害者にとってより生きやすい社会へと変化していくことに繋がるのです。

 

集団認知行動療法やっちまえ

職場で集団認知行動慮法を行いました。
7人の参加者がいましたが、持っている障害は多種多様です。

本来、集団認知行動療法はうつ病の方に対してがほとんどですが、中には社交不安障害の方などにも対象を絞って行うこともあります。

しかし、私の職場で支援している方々は本当に様々な障害をお持ちです。
これまでの参加者の障害を挙げていくと、うつ病、統合失調症、知的障害、発達障害、身体障害、社交不安障害、解離性障害、解離性人格障害、境界性パーソナリティ障害、パニック障害、若年性パーキンソン病、双極性障害、
・・・なんだか書ききれないのでもう止めます。

まさに障害のオンパレードです。
普通、対象を広げてこういった方々に集団認知行動療法を行うことはあり得ないことです。

なぜなら、それぞれの障害特性に応じて接し方、伝え方は異なるものであり、状態や程度によっても、この場をファシリテートしていくことは至難の業です。

なので私達も考えました。
そもそも認知行動療法とは、やけに小難しくて(おっと失礼)、なかなか取っつきにくい面があります。

ならば、ちょっと緩めて対象を広くして、誰にでも分かりやすいものをやっていこうと。
なので、一番分かりやすい教材を買って、それに沿って取り敢えずやっているという所です。

今日を含めて計3回やりましたが、いやいやなかなか使えますね。
結局のところ、こういったプログラムの全ては結果です。
役に立ったかどうかです。
参加者が満足したかどうかです。

参加者の感想として満足度は結構いい感じです。
ていうことで、起業した時にこのプログラムを使おうと思いました。

ていうか、いやむしろ、さっさとやっちゃおうと。
なので、今年の夏あたりから、まずはあがり症の方向けのミニセミナーからまずは始めていきますが、この集団認知行動療法もそれに次いでやっていこうかと思います。

対象は、まさにオンパレードの皆さん。
様々な障害の方々、そして障害があろうが無かろうがちょっと悩みを抱えている方々、支援者やカウンセラー、一般の方々、もう対象は誰でも、ブワーッとやっちゃおうかと。(まぁ、ちょっと状態が悪い方はさておき)

だって、誰にでも役に立ちそうだから。
仲間たちと相談して具体的なスケジュールに落としていきたいと思います。

早くやりたいなぁ。