精神障害者の時代

障害者雇用率というものがあります。

現在、従業員100名以上の企業は、従業員総数2%の割合で障害者を雇用しなければなりません。

2%ということは、例えば従業員100人の会社は二人の障害者を雇用しなければならないということです。
平成26年は日本の全企業を平均すると1.82%の雇用率でした。

そして、この雇用率ですが、対象は身体障害者と知的障害者のみとなっているのが現状です。
つまり精神障害者は対象外なのです。

それが平成30年には精神障害者も対象となり、雇用率もおそらく2.3%以上になるのではないかと言われています。

また、ハローワークでの精神障害者の求職者数も飛躍的に増えています。企業もこの状況に備えて精神障害者の受け入れ体制を進めてきています。

これまで障害者雇用の脇役だった精神障害者の方々が、一気に主役になるような勢いになっているのです。

これには様々な理由が考えられると思いますが、一つには精神障害者への理解が進み、法的制度的枠組みが整ってきたこと。

また、ダイバーシティと呼ばれるような、様々な人々の様々な働き方が、今の時代に求められていること。

そして精神医療や心理療法の進歩により、実際に精神障害者の方々が活躍できる実証が示されていること、等が挙げられるのではないかと思います。

日本の精神科医療は他の先進国に比べ遅れていると言われています。
また、それこそ20世紀後半というつい最近まで、精神障害者の人権が侵害されるような状況や事件は数多くありました。

そして今、時代の風が精神障害者に吹いています。

数多くの人が生涯の間に何らかの精神疾患にかかる、あるいは状態になると言われています。

精神障害者の方々が当たり前に働き、誰しもが風邪にでもかかるように精神科を受け、まるで整体か占いにでも行くかのように気楽にカウンセリングを受ける。

そんな時代になるといいですね。

 

自助グループの意味

私はグループの力というものを信じています。

一対一のカウンセリングももちろん有効でしょう。
しかし、グループワークなど集団で行うものは、また違った意味で有効です。

世の中には自助グループと呼ばれるものがあります。
いろいろあります。

犯罪被害者の会。
不登校親の会。
拉致被害者の会。
統合失調症当事者の自助グループ。
AA(アルコホーリクス・アノニマス)、断酒会。
NA(薬物依存症者の会)。
NABA(摂食障害者の会)。
etc・・・

もう挙げていけばキリがないくらいあります。
これらには共通点があります。

それは横のつながりです。
支援者と支援されている方、カウンセラーとクライエントといったような縦の関係ももちろん有効ですが、自助グループのような横のつながりは、また特殊です。

それは、同じ悩みを持つ方との共感や励まし、つながり、勇気づけ、情報交換、等々、カウンセラーにはできないことがグループによってできるからです。
時にその場でのつながりは、単なる知り合いや友人を越えて、戦友のような関係になることもあるでしょう。

私は、あがり症の当事者であり、克服者であり、支援者であるという、それこそ横も縦も斜めも経験してるような人間ですから、それぞれのメリットデメリットも知っています。

ですから、いずれ私はあがり症の方向けに色々な事業を始めますが、その時にはもちろんグループのメリットを活かした場を作る予定です。
ですが、今はまだ残念ながら縦のつながりの場しか提供できません。

それで、このブログを読んでくださる方からの意見で、同じような悩みを持つ方とお話ししてみたいというコメントが何件かありましたので、一つだけご紹介させていただきます。

それは生活の発見会という自助グループです。
これは森田療法という心理療法を学びながら、同じような悩みを持つ方が集まり、互いの悩みを打ち明け合ったりする会のことで50年以上の歴史があります。
全国に150カ所以上の集団会があります。
日本森田療法学会や200名以上の精神科医等のバックアップも得ている信頼性の高い自助グループです。

来られる方は、対人恐怖症、赤面症、パニック障害、強迫性障害、等々の森田神経質と呼ばれる呼ばれる症状を持つ方々です。
私は一回だけ参加したことがありますが、その時は、それぞれの体験などを話していました。

ホームページにも載っています。
もしご興味をもたれた方は是非行ってみるといいと思います。

ひょっとしたら、がっかりすることもあるかもしれません。
あるいは、逆にいいことがあるかもしれません。
行ってみないことには分からないんですね。

あがり症の方は、頭でばかり考えて結果として何も行動しない、つまり回避するという傾向があります。
そして化け物のような負の妄想を作り上げます。
中身はスカスカかもしれないのに。

極論に言えば、あがり症の方が症状に対して考えることで役に立つことはほとんどないと言ってもいいのかもしれません。
少なくとも私の20年近いあがり症のキャリアはそう言っています。
むしろ行動することから得られたことが多いと思います。

思考よりも行動。
迷ったらやる方を選ぶ。

エジソンは言っています。
「私は今までに一度も失敗したことがない。電球が光らないという発見を2万回したのだ。」

試し続けない限り、電球は光らないのです。