今日は障害者年金について解説します。

障害者関連の仕事に就いていない人ならまだしも、一般の方でこの制度のことを知っている人は意外に少ないです。

私の例で言えば、私は20代の頃は荒んだ生活をしていたため、国民年金を納めていませんでした。
幸い、その間大きな事故もなく過ごしましたが、今考えるとぞっとします。
というのは障害者年金と関連があるからです。

障害者年金は国民年金を納めている人が何らかの障害を負った時に、申請が認められれば標準的な障害者年金2級で一カ月当たり約66,000円ぐらい受給できるのです。

これは一定程度以上の障害を負っている限りはずっと受給できます。

ただし、ここがポイントですが、受給できる要件を満たしていも申請しない限りは受給できません。

また、障害者年金をもらえる要件は年金を納めているかどうかです。
例え、重い障害を負っても、年金を納めていないと受給できません。

こういった諸条件をクリアして初めて障害者年金を受給できます。
以下のサイトが分かりやすかったので、参考までにご案内します。

障害年金サポートサービス
https://nenkin-support.jp/knowledge/condition/

私がかつて支援していた方の何人かに、こういった諸条件をクリアできずに受給できない方々がいました。

彼らは若い頃に引きこもりなのかニートなのか、特に定職に付かずに過ごされてきて、その際に何らかの障害を負ったものの年金を納めていませんでした。

そもそも何らかの障害、例えば統合失調症を抱えていたり、ひきこもり状態で世の手続きなども怖くてできないような状況に置かれている時には、年金を収めるどころではないでしょう。

そして、障害年金は受給できなかったものの障害者手帳は取得して、やがて頑張って障害者求人で雇用されて普通に働くこととなりました。

ですが、給料が東京だとざっくり言って13、4万円ぐらいが標準でしょうか。

障害者求人はもちろん良い給料のものもありますが、一般求人よりもたいてい低く、最低賃金レベルのものが相当数占めます。

そもそも例えば精神障害者の方で、週5フルタイムで働ける人はなかなかいません。

それができるようであれば、十分に社会復帰していると言える心身状態のレベルです。

にもかかわらず彼らは生活に喘いでいました。

東京で月13,4万円の給料では生活は成り立ちません。
そういった方々の多くは親元で暮らしたりして何とか生活していました。

本来、もらえていたであろう障害者年金さえあれば、なんとか一人でもやっていけたと思われますが、残念ながらそうはなりませんでした。

障害年金をもらえたかもらえなかったかは、生涯の所得で考えると相当な違いです。しかも障害年金は遡及して5年分、つまり過去5年分まで遡ってもらえます。

ちなみに、あがり症の場合ですが、あがり症は障害名でも診断名でもありません。単なる一般的に使われている俗称です。

精神科や心療内科で使われている診断名で言えば、かつては社会不安障害、今は社交不安症(社交不安障害)と呼ばれています。

社交不安障害の場合、それ単独ではおそらく障害者年金を受給することは厳しいでしょう。
ただ、社交不安障害は重複障害になりやすいです。

それは例えばパニック障害や強迫性障害、うつ病等です。

社交不安障害を抱えることによる二次障害、あるいは逆にうつを抱えることによる二次的な社交不安障害、あるいは解離性障害などの生きにくさを抱えている影響からの社交不安障害等、様々に障害が絡み合っているのです。

ですから例えば社交不安障害が主で、従たる障害にうつなどがあった場合、年金が認められる可能性は高くなります。月6万なにがしは大きいですからね。

さらには冒頭でもチラッと述べましたが、社交不安障害はその障害ゆえに社会と関わることが不得手なため、働いていなかったりするケースが多いです。

働いている人なら制度のことなど知らなくても自動的に払う年金を納めていないケースが非常に多いんですね。

そんな時にゴロンと道端で転んだりして身体に障害を負ってしまうこともあるでしょう。

そうなったら後悔先に立たずです。

残念ながら年金はもらえません。

とは言え、たとえ制度を知っていたとしても、働いていないから毎月1万円以上の年金を納めることは無理です、といったことは当然にあるでしょう。

そこでそういった人を救済する制度として、年金の免除というものがあります。
ですから、年金を納めることが大変なら近くの市役所や区役所に行って、

「年金払えないっす~」とか
「あの~年金の免除・・・」などと話せば、後はどの窓口に行ってこうしろああしろと言われることにホイホイ従っていれば免除申請が認められ、それは障害年金の適用要件となります。

つまり、お金は納めていないけれど、まぁその間は払ったものに近い状態で認めてあげるといった感じの扱いになります。

社交不安障害ゆえに、窓口で超緊張する人もいるかもしれません。

そんな時は、窓口の人に目を合わせなくてもいいですからとにかく要件を済ますために、メモを読むなりメモを取るなり、あるいは家族の人や支援者に一緒に行ってもらったり、何らかの工夫をしてやることにつきます。

障害者年金を受給するにあたって初診日や細かい話は色々ありますが、今日のポイントとしては、年金は納めましょう、払えないなら役所に行って免除申請をしましょうということです。