精神科病院実習《ECT電気けいれん療法》

今日は、入院精神障害者の地域移行のための、専門職研修として精神科病院の実習に行ってきました。

東京都の事業で計3日間行う初日です。
主任看護師やソーシャルワーカーからお話を伺ったり、スタッフミーティングなどにも参加させて頂き、貴重な機会となりました。

その中で、ECT(電気けいれん療法)についての言及がありました。
これは難治性のうつ病等の患者の頭部に通電することで、症状を改善しようとするものです。

約80年の歴史があり、その施術場面の様子から時に批判されることもありました。
実際に通電時は痙攣するわけですから、生々しいんですね。

しかし、この80年の歴史の中で、その治療法は改良していき、有けいれん療法から、筋弛緩剤を用いた無けいれん療法へ、そして私が今回実習した病院は日本で数少ない最先端のサイマトロンという機械を使って行われているようでした。

残念ながらタイミングがずれてしまったため見学することはできませんでしたが、おそらく何でもなかったことと思います。
なにせ無けいれんで数秒で終わるものですから、何かしたの?ぐらいで終わるものだったと思います。

病院によっては麻酔科がない単科の精神科病院では、有けいれんで行われているようですが、今なおこの治療法が行われている理由としては、薬も何も効かない難治性の患者に明らかに治療効果があるということです。

ところが効く理由も解明されていないようです。

まぁ、私達一般人にとっては理由は何であれ、効きゃぁいいといったとこでしょうか。
世の中には様々な治療法があるものですね。

 

精神科病院実習《デイケア》

今日は、精神科病院実習の二日目です。
午前中はデイケアに参加、午後は訪問看護に同行しました。

デイケアとは、精神疾患をお持ちの方が、何らかの日中活動をするための居場所のようなものです。
毎日プログラムが実施されていて、今回実習した場所でも同様です。
今日は合唱グループと思い思いの活動をするグループの二つに分かれました。

私は最初は合唱するグループに入り、槇原敬之の「冬が始まるよ」とか「宇宙船艦ヤマト」などをみんなで歌いました。
皆さん元気な声で歌っています。

途中からは、思い思いの活動をするグル―プの方に入りました。
単行本を読んでいる人、雑誌を読んでいる人、4人でマージャンをしている人、CD付けてドリカムの歌を歌っている人、職員とお喋りをしている人、部屋の隅に体育座りでじっと座っている人、外でたばこを吸っている人、等々、本当に様々に過ごしています。

他の曜日のプログラム予定を見ると、体操やリラックス法をする日、卓球をする日、就労準備プログラムの日、など様々なものがあります。

以前からデイケアの内容は概ね知っていましたが、知っているのと体験するのは大違いです。
私はこれはいいなと思いました。

精神疾患を患った方々でも、日々を生活していく上でまず考えることは就労です。
しかし、なかなかそれができない方もいます。
そういった人は、訓練を考えます。

福祉施設の中に、就労移行という枠組みの訓練施設があります。
そこに例えば週3~5などで通い、職業訓練をしながら就活を進めていくのです。

しかし、そこも難しい人もいます。
就活にはまだ早い、まずは通えるようにならないと、と。

そこで、じゃあどうすればと考えるのが、就労継続B型という施設です。
いわゆる作業所です。

そこで実際の仕事、例えば内職的な軽作業、印刷物の三つ折りや封入、公園清掃、紙袋作り、等々の仕事に、スタッフの指示のもと従事します。
本当に雀の涙ほどの工賃と呼ばれるお金をもらって、そこで作業をしながら通う訓練をするのです。
しかしそこも難しい方がいます。
病状や人間関係により、休みがちになる。
なかなか行けない。
なかなか外に出ることさえ億劫になる。
ひきこもりの方もそういった状態でしょう。

そういった方々のファーストステップとしてデイケアが有効であろうと思いました。
まずは、日中の居場所づくりに、デイケアに少しの時間でもいい、行くことで家の外での活動場所を確保するわけです。
そこには自然、他者との関わりがあります。
ひきこもりの方にとっては、ストレスフルな状況である一方、リハビリにもなります。

それが難しかったら、漫画を持っていって読んで、職員と少しおしゃべりして帰ってくるだけでもいいのです。
それがデイケアでは可能なのです。

そこでは自分なりの過ごし方ができるのです。

あがり症の方々の中にはひきこもりの方も多くいらっしゃいます。
そういった方々はデイケアの利用をまずは検討してみるのもありではないでしょうか?

見学もありです。
見た感じ嫌なら止めればいい、見学するための連絡をするのがプレッシャーになるのなら役所や支援機関の人に見てみたいとお願いし、連絡してもらえればいいでしょう。

人は他者との関わりの中で生きていきます。
それは避けられません。

対人恐怖症で人との関わりを恐れている人ですら、その反面では人との関わりを求めています。
まずは、外に出てみるのが大切なのです。