(近日予定講座!)
「あがり症克服日めくりカレンダー」出版記念セミナー【新宿7/15】


今日は、あがり症は治さなくていいという本の読書療法をやっていきたいと思います。

今日は140ページのところを話していきたいと思います。

ちょっと読んで行きますね。

 

「できたこと探しをしよう」

あがり症の人は事後失望と言って、自分ができなかったことを次々に見つけ出して自分はダメな人間だと悩み続けます。スピーチの席で言い間違えた、手が震えた、声が震えた、誰かが変な目で見ていた、あがっているのがバレてしまった——ビデオテープのように繰り返す、あなたの後悔はキリがありません。ひょっとしたらうまくできなかったのは全体の一部かもしれません。ほんの数パーセントほどのわずかの失敗を100%のように疑ってしまいます。

これからやることは自分のできたことに目を向ける作業です。これまでのようなできないこと探しではなくてきたことを見つけましょう。でも、あなたにはちょっと難しいかもしれません。なぜかというとマイナスの思考が生活習慣病のように身についてしまっているからです。それをプラスに変えるにはじっくりと取り組む必要があります。

例えばノートを一冊用意して、1日が終わる時に、その日にできたことを記してください。些細なことで構いません。美味しい食事ができた——、こんにちはと言えた——、いつもより仕事が楽しかった——これを続けることです。できたこと探しによって、やがて自分を責めるマイナス思考は減っていくでしょう。

あがり症の方が悩み続けている時っていうのは、まあ皆さんそうでしょうけれども、あがり症のことばっかり考えます。

人にどう思われるか、どう見られているか、軽蔑されるんじゃないか、馬鹿にされるんじゃないか、自分が声が震えて手足が震えてしまい、ガクガクしてるのを見て人に哀れみの目で見られたり、まるで屈辱のような敗北感を感じるような、そんな気分になって、もうここにはいられない、そんなふうに感じてしまいます。

そして自分の欠けている部分、自分のできていない部分、自分の劣っている部分を何とかしよう何とかしようという風に、そこに注目し続けます。

できていないところ探しをずっとしていくわけですね。
その時見つかるんですね、できていないところが。

まるで幽霊に怯える人が、なんかこう天井の木目とか見た時に、人の顔に見えたりとか、柳を見て幽霊に思ったりとか、髪洗ってる時になんかゾクッとして後ろ向いてドキドキしたり、何か幽霊探しをしてるような感じになるとね、その証拠なんていくらでも見つかってしまうんですよ。

これはもう生活習慣病とならざるを得ないんですね。

だから、そこをいかに変えていくか、生活習慣には生活習慣で変えていくしかないんですね。

どうするか?

できていないところ探しのプロには、できたことを見つけていくということになります。

例えば、寝る時に1日三つ、今日できたことは何だったんだろう?——買い物に行けた、会社に行けた、ちょっと仕事をした、このポッドキャストを聴いた、あとどんなことでも構いません。

そういった些細なことにもできたことを探しをしていって、そこで寝る。
ただそれだけ。

じゃあ明日どうなるか、明後日どうなるか。
全く何も変わらないでしょうね。

全く変わらないのは当たり前ですよ。
これ、何万回、何万回、何十万回、ずっとできていないところ探してきたんですから。

だから、そのできたこと探しっていうのを緩く続けていく必要がある。
たった3回、たった6回、たった9回で、三日坊主でもいいんですね。

ゆるくゆるくやっていくことで、なんとなく気づいたら自分のできてないところにも目を向けるけれども、一方、できている所も目を向ける習慣がついてくるんですよ。

ある方がいました。
あがり症講座に出られた方です。

私のこのできたこと探しっていうのに何か響いたみたいで、その日からずっとやっていたみたいです。

1年後、私のもとに会いに来ました。

あの日、帰りに文房具屋さんに寄って手帳買ったらしいんですね。
そこに毎日、1年間ずっとできたこと探しを書いてきました。

で、今どうなったか?

ずいぶん良くなりました、今治ったみたいなこと言ってましたね。

その方は、もしかしたら軽度の方だったのかもしれません。

けれども、だったにしても、あがりのあがってる部分や緊張してる部分を人にどう思われるかっていうことに注目し続けたその方は、できていることを毎日365日注目し続けることで、その程度が減っていったんですね。

当然ですが、あがり症って、そこに注目すればするほど病んでいく病なんですよ。

あがらないようにって思ってやることは、ほぼ全てあがる方に、あがる結果に結びつきます。

だからそれを、できたこと、できているところに注目していくようになることで、結果としてあがりはノータッチにしてあがりが改善してくものなんですね。

それが本当の意味でのあがり症の克服なんです。
あがり症の克服っていうのは治すことにはないです。
忘れることにあるんです。

あがり症だけじゃない、強迫性障害であるとかパニック障害であるとか、いろんな神経症的なもの、そういったものっていうのはマイナスを見ることに解決はない。プラスの方を見ていく。

そういったことが、むしろ良いってことがあるわけですね。
特にあがり症はそうなんでしょうね。

はい、今日はそんなお話でした。ありがとうございました。

※ポッドキャスト音声で配信したものを文字起こししたものです。
『できたこと探しをしよう!「あがり症は治さなくていい読書療法」』