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第215日目：「水を飲むのはあなた自身」

あがり症について学んでいくと、なぜあがり症になるのかという悪循環の仕組みが理解できるようになっていきます。

しかし、ここからが厄介です。
イエスバット（はい、でも）が始まるのです。

「理屈は分かりました、けど・・・」
「私がやっていたことは却って悪化させていたんですね。でも・・・」

ここで突き付けられるのです。
人生の課題に正面から向き合うことを。

そしてここから人によって行動は異なります。

立ち止まる人。
魔法の杖を求める人。
なおも人に頼る人。
正面突破する人。
怯えながらも嫌々恐怖突入する人。
回避する人。

全てに共通するのは、自分の価値のなさが白日のもとに晒されることを恐れることです。

馬を水辺に連れていっても、他者は水を飲ませることはできません。

イエスかノーかは他の誰かが決めるのではなく、あなたが決めることなのです。

ここには勇気が必要です。
身震いするほどの恐怖に立ち向かう勇気が。

その恐怖を支えるもの。
それは二点に尽きます。

この人生であなたはどう生きたいのか何を望むのか。

そしてもう一つは他者との繋がり。
この二つに違いありません。

第271日目：「水を飲むのはあなた自身」

「理想と現実が一致すれば悩みは消失する」

かくあるべきという理想と、かくはならない現実のギャップを劣等感と言います。
このギャップが大きければ大きいほど劣等感も強くなります。

そして、その劣等感を埋め合わせようと人は努力するのですが、時に理想が高すぎて、そのあまりの道の遠さに努力を諦める人が出ます。

どこでもドアを使おうとする人、ロープウェイを使って頂上まで登ろうとする人、偽の通行証を使う人、様々な不適切な方法で目的を達成しようとするのです。

あがり症の方はどうか？
フリをします。

あがってないフリ。
冷静なフリ。
頭の良いフリ。

フリはうまくやれば結果が出ます。
あがってる自分を知られてはならないというミッションを達成するからです。

しかし、あがり症者は本当は知っています。

それが見せかけの成功に過ぎないことを。
本当の自信には繋がらないことを。
むしろ苦しみが増えていることを。

あがり症者は知るべきです。
自らの不自然な理想の高さが自らを苦しめていることを。

高すぎた理想が下がって現実と一致した時、悩みは消失します。
それは当然とも言えます。
なぜなら理想と現実のギャップがなくなるのですから。

だからあがっていいんです。
もっともっとあがっていいんです。
あがり症なんだからあがって当然なんです。

当然を当然としないから余計あがることに気づくべきでしょう。