考えて行動するより感じて行動せよ

あがり症(社交不安障害、対人恐怖症)の人は物事をするにあたって考えてから行う傾向があります。

例えば、前を歩いている人が持ち物を落としたとします。

瞬間、拾ってあげようと誰しもが思うでしょう。
そしてすぐ拾って渡してあげるのが普通です。

しかし、あがり症者は、その時例えば他者の目を意識します。

いい人ぶってると思われないだろうか。
注目を集めてしまうのではないか。
拾って渡すときなんて声をかけよう。

様々なことを考えると、あれやこれやと拾わない理由ばかり見つけ、行動を躊躇するようになります。

あがり症者に必要なことはその時感じたままに行動してみること。

頭で考えた憶測や深読みを元に行動するのではなく、その時パッと感じたままに体を動かしてみること。

考えが浮かぶ前に、感じるままにスッと動いてみること。

その時違和感や緊張があってもそれはそのままにして、感じたままに即行動に移していく習慣が身についていけば、あがり症者特有の執着や囚われが軽減していくに違いありません。

 

三昧(ざんまい)の境地であがることを忘れる

三昧の境地があがり症を解放する

私は、カウンセリングやセミナー以外にも障害者の就労支援の仕事もしています。

毎日が猛烈に忙しく過ぎ去っていきます。
毎日ひっきりなしの面談と出先への訪問。

そして電話はひっきりなしで息つく暇もなく、気付いたら1日が終わっているという有り様。
この状態は大変ではありますが、決してイヤではありません。
むしろこの状態こそが自分の能力をフルに発揮できるような気がします。

脳をフル回転させて、効率よく隙間時間を活かす。
ものそのものになりきっているのです。

あがり症者特有の自分への囚われ、症状への囚われから解放され、なすべきことに、ただただ集中している。これを三昧(ざんまい)と言います。

あがり症は、何かに三昧(ざんまい)になっているとき、その症状は陰を潜めることでしょう。

 

もっと聞いてもっと違和感を感じてもっと緊張する

時計の音が気になって寝られない。
気にすればするほど余計音が大きく聞こえて益々寝られなくなる。心臓に違和感を感じる。
ドキッとしてその部分を気にすればするほど余計違和感を敏感に察知し違和感が大きくなる。

人前で緊張する。
緊張を気にすればするほど余計緊張を感じ益々緊張する。

三つとも全部同じ仕組みです。

では、どうすれば?

時計の音を漏らさずしっかり聞ききって下さい。

心臓の違和感を徹底的に観察しどうなるか気にし続けて下さい。

緊張をしっかり味わい緊張しきって下さい。

あがり症などの神経症の方は恐れていることを避け、抑圧し、否定するため、恐れているそのものの体験をしきったことがないのです。

恐怖突入し恐怖体験をしきってください。
恐怖体験を味わいつくすのです。

その時初めて、まだ見ぬ体験をすることでしょう。