(近日予定講座!)
「あがり症克服日めくりカレンダー」出版記念セミナー【新宿7/15】


あがりとあがり症の違い

今日はあがりとあがり症の違いと、あがり症の症状にどう対応すれば良いかを、対症療法ではなく本質的な克服法をお伝えします。

よく、名刺交換などをしたりして、私があがり症のカウンセリングやセミナーやってることや本を出していることを知ると、結構言われることがあります。

「私もあがり症なんです〜人前で緊張しちゃうんです〜」

なんてことが。見た感じとてもそうは見えないんですけれどもね。

以前も、ある方から聞かれました。

なんでも、何かしらの資格を取るために、人前でお話ししなければならなくなって、あがって喉がカラッカラッになってしまったと。

「佐藤さん、私、あがり症ですか?」と聞かれました。

私は答えます。

「あがり症ではありません!」

 

即答!

私がそう答えた理由はなんでしょう?

それは、その方は単にあがっただけなんですね。しかも極度に。

それはあがり症ではなくてあがり。
では、あがり症とあがりの違いは?

それは、二つ理由があります。

一つは、単なるあがりはそのときだけのものです。

瞬間的にあがるけどその時だけ。
あとは、しぼんでいく、ひきずらない。

あがり症は決してその時だけあがるわけではありません。

人前で話す何日も何週間も前から持続的な不安と恐怖に苛まれ、本番が終わってからも持続的な後悔の念に囚われます。

な〜んにも、かけらもいいことないのに、それこそ1ミリたりとも意味ないのに、終わってからあ〜だこ〜だと、ウジウジいじいじと傷口に塩を塗る。いや、塗りたくる。

徹底的なマゾです。
決して快楽にならないマゾ。
しかも長時間ず〜〜〜っと。

いったい何のために?

だからあがり症とあがりの違いの一つは、まず時間的な継続性。

そしてもう一つ、あがり症ではない方のあがりはシンプルです。

あがった。
緊張した。
声が震えた。

以上。
それだけ。

もちろん恥ずかしいかもしれないし、あがってるときはしんどい。
けれど、以上。

一方、あがり症の方はあがって緊張して声が震えてしんどい上にプラスアルファがあります。

それは、あがってる自分はダメとか、あがってる自分は軽蔑されるとか、人前で手が震えて、声が震えて、どもって、顔が赤くなってしまった自分は他者から否定される、ここにはとてもいられないといったような。

ただでさえあがって苦しいのに、更に自分イジメして益々しんどくなっている。

これが苦しみを二倍にも三倍にもする。

つまり、あがり症の方は、あがったかどうかにあまりに価値を置き過ぎるのです。

あがることへの価値付けの病

あがったらNot OK、あがらなかったらOk。

そして、人としての価値や集団に所属する条件を、

・あがった人→価値なし→いてはいけない
・あがらない人→価値あり→いていい

しかもその価値観を当然と思ってますよね?
それって本当ですか?

試しに聞いてみてほしいのです。
自分が人前であがってしまうことが他の人にとってどんな意味があるのかを。

あがり症以外の方に聞いた場合、きっとあなたはその答えに信じられない思いをするに違いありません。

そうなんですね、あがり症とはあがったかどうかが問題なのではなく、あがったことをどう意味づけ、どう自分に対峙するかというあり方の病なのです。

あなたが見たあがったあなたはあなただけの真実であって、その真実はこの世のどこにも存在していないのかもしれません。

あがり症なんでしょ?そりゃあがるでしょ?

だから悩んでる方に言いたいのです。

やれ、あがったらどうしよう、やれ、人にバレたらどうしよう、あがらない方法はないものか、などと魔法の薬を探し続けて見つけた人はほぼいません。残念ながら。身も蓋もないですが。

だって、あがり症なんですよ。
人よりあがりやすいんです。
そりゃあがるでしょ。
あがるに決まってるでしょ。

そこに、頭の中の世界ばっかりでごちゃごちゃやってるから、人間が本来自然に持っている感情から百倍返しを食らうんです。

自然に沸き上がる感情を何とかしようったって、モーゼが海を割って道を開くじゃないですが無理に決まってます。

だから、私は言うんです。

余計な苦しみをしないためには、感情の百倍返しを食らわないためには、あれこれ考えずに、とにかくあがりきれ!と。

ただただ、集中してあがりきれば、他の余計な苦しみを味わうことが減るんです。

もちろんあがります。
あがることはなくせません。

けれどあがりは、そこを何らいじることなく、何ら否定することなく、何らコントロールすることなく、きっちりあがりきれば、あがりは流れていくんです。

是も非もない。

ただ、あがる。
以上。

その時、あがりを忘れる。
それがあがり症の克服です。

ネットや本などにある、あがりの症状をコントロールするようなやり方に答えはありません。

だってそもそもコントロールできないのだから。

私は元当事者です。
そしてカウンセラーとして何百人ものあがり症の方と会ってきました。

あがり症の症状をコントロールできた人なんて知りません。

あがり症とは治すことで治らず、治すことを手放したその日から治るのです。

(参考記事)

https://takeharukokoro.com/2019/03/2695/