あがり症の症状~火事場の馬鹿不安を治す方法はこの世界の見方にある
あがり症(対人恐怖症、社交不安障害)の方は、自分の恐れるようなことに直面するなり、察知するなり、予見するなり、頭をかすめたりすると、心が反応します。
それも一瞬にして。
シュパッ!と下から上へと突き上げるような衝動的恐怖。
誰が名付けたのか、「あがり症」とは天才的なまでにピタッと来る名称です。
そしてその突き上げる戦慄的な恐怖にたじろぎます。
恐れます。
逃げたくなります。
そうして、緊張、恐怖、不安、動悸、手の震え、声の震え、発汗、顔の歪み、頭の震え、顔がぴくぴくすること、他者の目、他者の思惑、そういったあがり症に付随するものにひたすら注目します。
凝視します。
それはさながら、山奥で30メートル先にヒグマを見つけて固唾を飲んでいるかのような。
だから、ピクッとヒグマが動いただけで髪の毛が逆立ちます。
心臓がバクバク言います。
それが自分をギロッと見て向かってきたらもう、息が止まりそうになります。
一般の方は、こういった場面で時に火事場の馬鹿力を発揮したりするものです。
なにせ、一生に一回あるかどうかの恐怖場面でしょうから。
一方、あがり症の方は、毎日ヒグマの恐怖に怯えます。
毎日、ヒグマに遭遇します。
気の休まる暇などありあません。
ただただ、髪の毛が逆立つかのような恐怖と不安に包まれた日々を過ごします。
そうです、あがり症の方は悲しいかな、単なる不安ではなく、火事場の馬鹿不安の日々を送っているのです。
あがり症の方は世界を見誤っているのです。
世界は危険だ、他者は私を否定する。
そのものの見方でこの世界を見ているのです。
だから、あがり症の克服とは、症状そのものへのアプローチだけでなく、この世界への見方を変えていくことが必要になります。
あなたが見ていたのは本当にヒグマだったのでしょうか?
ワンちゃんだったりなんてことはないですか?
あがり症の初回エピソードと避けるべき最も恐ろしいこと
人前で話していると急に手や声が震える人。
どもる人。
顔や耳が赤くなる人。
学校や会社などで、そんな人見たことありませんか?
大概クラスに一人か二人ぐらいいませんでした?
あれがあがり症です。
よくあるのが学校時代に教科書を読んでいる時に急に緊張したり声が震えたり。
音楽の授業で笛を吹いている時、緊張のあまり失敗しちゃった。
それまで普通に生きてきたのに、会社の朝礼のやプレゼンで、とんでもない失敗をしてしまったり、声が震えて頭が真っ白になってしまったり。
あがり症ではあったけど、主婦でなんとか逃げてきたのが、子供が学校に入ってPTAで役員になってしまったり。
そうして一人悩み始める・・・きっかけは様々でパターンはありますが、結構そのパターンの数は少なくて、何らかの似たような発症の傾向があります。
そして共通するのが、「一人」ということ。
あがり症の方は繋がりましょう。
同じ悩みを持つ仲間と。
それをサポートしてくれる専門家と。
この世で最も恐ろしいこと、そしてあがり症の方が何より避けなければならないこと・・・それは孤立なのです。
そこさえ避ければ、あとはちょっとやそっとはあっても、なんとかなるのです。