あがり症を語る⑯ではミラクルクエスチョンのことを書きました。

 

ミラクルクエスチョンとは問題を抱えて行き詰っているクライエントに、問題はとりあえずそのままにして奇跡が起こった一日の詳細を語ってもらうカウンセリング技法です。

 

奇跡が起こっているので何でもありです。

カウンセラーの誘導により、普段のマイナス思考の束縛から解放されて、これまで想像もしたことのないようなミラクルな一日を克明に想像し語っていきます。

その想像すること自体が治療的な過程となります。

 

そして実は場合によってはこの続きもありなんです。

それはプリテンド・ミラクル・ハプンドという技法です。

訳すと、奇跡が起こったように振る舞うという意味です。

 

今、非常にブームになっているアドラー心理学にも同じような技法で「アズイフ(as if)テクニック」というものがあります。

これも同様に「まるで~のように」と自分自身が望む自分になりきって振る舞うというものです。

 

それで、このプリテンド・ミラクル・ハプンドですが、まさにミラクルクエスチョンで克明に描いた一日のようにやってみようというものです。

 

例えばあがり症のケースでやってみると、

 

 

朝、学校(会社)に行って、周りの人に自分からおはようと声をかける。

 

そして、天気のことや日常の他愛のない会話をする。

 

授業(仕事)が始まっても心は落ち着いていて、今、ここでなすべきことを淡々とこなしている。

 

先生にあてられるのではないかという心配はしない。

 

仕事中電話が鳴っても焦らず取って一語一語ハキハキ答える。

さわやかな感じで電話を終える。

 

会議の際は、自分が話す前の予期不安に襲われることはなく、議論に集中している。

質問されても慌てず淡々と答える。

 

休み時間や昼休みは、同僚や友達と気構えることなくお喋りをする。

そして楽しく笑う。

 

食事中は何人かと一緒のテーブルに座り、自分が浮いてしまうことなく楽しく話す。

 

上司からの質問には冷静に適確に答える。

 

飲み会や忘年会では、疎外感や孤独感を感じることなく、話の輪に自分も加わる。

 

家に帰り、ご飯を食べお風呂に入り、眠くなってきたので布団に入りささやかな幸せ感を感じながら、やがてすやすやと眠りに入る・・・

 

 

 

これ、あがり症でない人から見たら、だから何?かもしれませんね。

 

ただ、あがり症の人にとっては間違いなくミラクル・ハプンドなんです。

奇跡の一日なんです。

 

これをやると劇的に変わることもあるようです。

 

ただ、恐らくは自分一人でやるにはなかなか難しいと思います。

一緒にミラクルを共有し、背中を押してもらい、結果を一緒に喜んだりがっかりしてくれる伴走者の存在がいるかどうかが大きな要素ではないかと思います。