タイムマシン療法

心理療法には様々なジャンルがあります。

精神分析、交流分析、来談者中心療法、認知行動療法、行動療法、森田療法、NLP、動機付け面接法、アドラー心理学、ブリーフセラピー、家族療法・・・

もう、挙げればきりがないですね。

その中でも今回は、ブリーフセラピーを専門とする黒沢幸子先生のタイムマシン療法について述べていきます。

 

個人的には私にとっては黒沢先生はカウンセラーとしての理想像といいますか、あんなふうになれたらいいなぁ、という目指すべき星のような存在です。

もっとも、黒沢先生は私のことを知らないと思いますが。

それで、そのブリーフセラピーですが、字句の意味の短期療法という言葉の通り、セラピーの回数をいかに短くするか、すなわち効率や効果という視点を重視した療法です。

フロイトを源流とする精神分析のカウンセリングは長期に渡ります。

一般的には週3、4回のセラピーを数年に渡り行うとも言われます。

 

その効果も近年疑問視されていることもあり、そういったことへのアンチテーゼとして最近は認知行動療法やブリーフセラピーなど実効性のある療法が増えてきました。

また、精神分析は原因論、すなわち問題や問題行動の原因を探ります。

例えば、生い立ち、家族関係、人間関係、性格、出来事、等々様々な原因を探っていきます。

そして原因論の対象は過去です。
過去を問います。

 

一方、ブリーフセラピーは過去をほとんど問いません。

なぜなら、今起こっている出来事の原因は単一なものとは考えないからです。そして解決に有効なネタ探し、すなわちリソース(資源、強み)を探り、解決のイメージを構築していきます。

原因論の視点はともすれば悪者探しになります。

やれ「母親の育て方が悪かった」

「あの先生があんなことを言ったから」

「性格がどうしても悲観的なんだよね」

「父親が家庭のこと省みないから」・・・etc

確かに、当たっていることもあるでしょう。

しかし、原因は多様であり、そしてそれが分かったからと言って解決には直接結び付かないと考えます。

また、原因探しは誰かを傷つけることにもなりかねません。

 

そして、そのブリーフセラピーの中でも、黒沢先生が考案したタイムマシン療法ですが、言葉のちょっと遊びじみた印象の割には(黒沢先生すいません)、これは使えますね。

もう、言葉の通り、タイムマシンに乗って未来の自分を探しに行くのです。

20世紀最大の天才精神療法家とも言われるミルトン・エリクソンは、クライエントの方に過去や未来などをカウンセリングの中で自由にイメージさせていたと言われますが、同じような視点ですね。

 

もう、問題問題って頭の中がいっぱいになり、混乱し苦しんでいるクライエントに対して、とりあえず問題はそのままにして問題が解決した未来を想像させるのです。

クライエントにとっては普段想像もつかなかった解決像と解決した時の様子を、カウンセラーの誘導によりまざまざとイメージすることができるのです。

私が、このブログで何度も言ってきた「ありありと細部までイメージできたことは実現する」のです。

 

このタイムマシン療法はまさにそれを導き出しているのです。

特に若い子には入りやすいようですね。

不登校や問題行動のある青少年期の子供たちはその興味深いネーミングに惹かれるのかもしれませんね。

もちろん、あがり症の方にも効きます。

「タイムマシンに乗って、あがり症が改善した○年後の○月○日に行きます。

その日その時、あなたはどこで何をしていますか?

周りには何が見えますか?

周りの人はあなたをどんなふうに見ていますか?・・・」