問題トークという言葉があります。生きにくさの渦中にいると、その困難さの余り、ひたすらに問題に焦点を当てて話し続けていきます。

こちらが明るい面を聞いていこうとすると、「でも~」、「だけど~」などと益々問題を言い募ります。

そんな時はミラクルクエスチョンです。

相手の訴えを丁寧に聞いていき、ふと一息ついた所でおもむろに切り出します。

「そうなんですね~。ところでちょっと変な質問をしてもいいですか?」

相手は?といった様子で「はぁ」などと答えます。

そして私はゆっくりと語っていきます。

「あなたは今日これから家に帰って布団に入り眠りにつきます…。

 そして寝ている間に奇跡が起きて、
 あなたの抱えている問題が全て解消されたとします・・・。

 でも、あなたは眠っているので奇跡が起きたことを知りません・・・。

 そして目が覚めて、1日が始まります・・・。

 あなたは、どんなことで、奇跡が起きたことに気づくでしょうか・・・?

 どんな事から奇跡が起こった違いに気がつくでしょうか・・・?」

相手は訥々と語り始めます。私は奇跡が起こった一日をありありと鮮明に頭の中に描き出せるよう質問していきます。奇跡が起こった一日をどんどん膨らませていくのです。

これはブリーフセラピーという心理療法の中のミラクルクエスチョンと呼ばれる一技法です。このミラクルな一日を語っている時、問題トークから離れて、ソリューショントーク(解決トーク)に切り替わっています。

奇跡が起きて、問題が解決した時の様子を克明に浮かび上がらせるのです。

これをあがり症の方に使うとどうなるか?

人前で話している時緊張せず平然としている。

聴衆はこちらを見ているが動揺もせずに淡々と話し続ける。

私は静かに落ち着いている。

心臓の音はゆっくりと。

顔は赤くならず涼しげだ。

聴衆は尊敬のまなざしで私を見ている。

私は冷静に話し続ける。

人と話している時は適度にリラックスして時折冗談など話して笑い合っている・・・。

他の人たちからすると当たり前のことなのかもしれない。

しかし、あがり症の人たちにとっては、これまで想像もしたことがなかったような奇跡を擬似体験することができるのです。

思いは実現する。

あがり症を語る⑦のイメージは実現するでも書きましたが、克明にありありとイメージできたことは実現するのです。

私はカウンセリングにおいては解決のイメージを膨らませていくことが大事なことではないかと強く思っています。