スポーツの世界ではイメージトレーニングのことがしきりに強調されます。

私も以前、バスケットボールをやっていましたが、ドリブルやシュートなどイメージできる技や動きは実際やってもできるのですが、イメージがおぼつかない技や動きはどうしてもうまくいかなかった記憶があります。

特に右利きだったので、左手を使った時の細かいドリブルの動きはイメージすらぎこちなく、実際もまたイメージ通りでした。

では、イメージとはなんぞやですが、それは繰り返し何度も何度も練習することの賜物なんですね。

言ってしまえばそれまでですが、真実とはシンプルなものです。

それはイチローや世界の王さんも例外ではありません。

練習量こそ全てです。

京セラやKDDIの創業者であり日本航空の名誉会長である稲森和夫氏は、日本屈指の経営者かつ人格者としてその名を馳せています。

その稲森氏は次のように言っています。

「すみずみまで明瞭にイメージできたことは間違いなく成就するのです。すなわち見えるものはできるし、見えないものはできない。したがってこうありたいと願ったなら、あとはすさまじいばかりの強さでその思いを凝縮して、強烈な願望

へと高め、成功のイメージが克明に目の前に見えるところまで持っていくことが大切」であると。

振り返ってみて、あがり症の方々はどうでしょうか?

人前で話す前に、自分が恐れていることが起こったり失敗するのではないかと何度も何度も頭の中で恐れているシーンをイメージします。

それは尋常ではないほどの執拗さで続けられます。

話す直前にはそれが世界のすべてになっています。

そして、終わった後はどうか?

終わった後は、頭の中でテープを巻き戻して、ひたすらに自分のあら探しです。あそこで声が震えてしまった。

みんなが自分のことを様子がおかしいと見ていた。

何度も何度もテープを巻き戻して悪い所探しです。

振り返る力はプロアスリート顔負けです。

こうしてすみずみまで明瞭にあがっている自分をイメージすることでそれは間違いなく成就するのです。

恐れれば恐れるほどそれが実現してしまう。

なんと皮肉なことでしょう。

ではどうすれば良いか?

その一つが、あがり症を語る⑤で紹介した「あるがままに」目的本位で生きることです。

そしてもう一つが成功のイメージ作りです。

真実はシンプルなものです。

失敗のイメージをひたすらにしてきたのならば、それを逆に成功のイメージ作りをしていけば良いのです。

ただ、まるでパブロフの犬のように何度も何度も繰り返すことによって習慣づけられたことは、そうやすやすとは変わりません。

自分でそれができるならばそれに越したことはありませんが、より望ましいのは伴走者の存在と効果的な問いです。

それは以下のような問いで構成されます。

もし奇跡が起こって問題の全てが解決したとしたらどうなっていますか?

解決した時の違いは今とどう違いますか?

あなたの周りの人はあなたが変わったことにどんなことから気づきますか?

 

私は、このある種の良い妄想作りを膨らませることを意識してカウンセリングしていくことが大事ではないかと思っています。