初めはふとしたことがきっかけだったのかもしれない。

それほどは大きなことではなかったのかもしれない。

 

 

しかし、人前で話す時に緊張することや失敗することがあってはならないという思いに囚われることで、逆に症状はより強固なものになっていきます。

そして、やがて予期不安に襲われるようになります。

 

予期不安とは、人前で話すことがあらかじめ分かっている時に持続的な不安に襲われることです。

 

文字にするとたいしたことではないようにも思えますが、例えば、100メートル走の直前に心臓の音が聞こえるような経験は多くの人がしているのではないでしょうか。

それと同じことが、あがり症の人に起こるのです。

しかも、人前で話すも直前だけでなく、もっと前の段階からじわじわと締め付けられるような不安が持続的に続くのです。

 

そして、人前で話した後は、欠点や失敗のあら探しです。

声が震えたのがばれたのではないか、あそこで口ごもってしまった、あの人は私が緊張していることに気付いたのではないか、等々。

 

そして失敗を見つけ、後悔し、しばらく引きずります。

 

いわば、あがり症の人は未来の不安に怯え、過去の失敗を後悔して、「今」を生きていないのです。

 

「今」を生きる、そのことがあがり症克服のキーワードの一つとなっていきます。